高校生の私が中学生になった理由

村上ひまり、高校二年生。陸上部のエースで走ることが大好きなひまりは、部活のランニング中にかかせないとある楽しみがあった。それは、コースの途中にある弓道部の道場を覗いて、お隣さんで幼馴染、そして恋人でもある森恭介を眺めること。しかしある日ひまりは部活中に手足のしびれを感じ、倒れてしまう。病院で検査を受けたひまりは、そこで「脳腫瘍」という病を伝えられる。余命は一年。恭介を悲しませたくないひまりは病気のことを隠して別れを切り出すが、恭介は絶対に嫌だと拒否。二人は平行線のまま、ひまりの寿命は刻一刻と近づいていき……。遺してしまう優しい恋人のために、少女は祈る。「どうか――私が死んだあとも、恭介が幸せでいられますように」そうして、ひまりに訪れた不思議な時間とは――。
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